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北欧を代表するブランド「マリメッコ」の伝説的デザイナー、マイヤ・イソラ。
暮らしを彩りつづけるデザインの源は、旅、自由、愛。
マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン
監督:レーナ・キルペライネン 出演:マイヤ・イソラ、クリスティーナ・イソラ、エンマ・イソラ
2021年 / フィンランド・ドイツ / フィンランド語 / 100分 / カラー・モノクロ / ビスタ / 5.1ch /
原題:Maija Isola 英題:Maija Isola Master of Colour and Form / 字幕翻訳:渡邊一治 字幕協力:坂根シルック
後援:フィンランド大使館 配給:シンカ + kinologue
© 2021 Greenlit Productions and New Docs
3/3(Fri.)ROADSHOW !
劇場情報

Trailer予告編

Introductionイントロダクション

「マリメッコ」の伝説的デザイナー、マイヤ・イソラとは

日本でも人気の北欧を代表するデザインブランド「マリメッコ」。ケシの花をモチーフとした「Unikko(ウニッコ)」など、2021年に70周年を迎えたマリメッコを代表するデザインの多くはマイヤ・イソラが手掛けたものである。マリメッコの成長と共にデザイナーとしての才能を開花させ、創業前の1949年から87年までの38年間に500以上という驚異的な数のデザインをマリメッコに提供。そのタイムレスな魅力にあふれた大胆でカラフルなデザインは、半世紀以上経った今でも私たちの暮らしを彩りつづけている。1人のデザイナーが手掛けたものとは思えないほど多彩なデザインを次々と生み出したマイヤ・イソラの創作の源とはなにか。創業者アルミ・ラティアとの唯一無二のパートナーシップによってマリメッコの成功を支えた、類稀なデザイナーの足跡をたどりながら、創作の秘密に迫っていく。

激動の時代、旅をしながら自由な創作を続けた、恋多き人生

戦時下を生き抜き、19歳で娘クリスティーナを出産後に芸術大学へ進学したマイヤは、在学中にマリメッコ創業者であるアルミに認められ、デザイナーとしての道を歩むこととなる。そして、旅することを原動力としたマイヤは、社会が移り変わる激動の時代に世界中を旅し、そこで出会った人々や見聞き経験したすべてをエネルギーに変えて絵を描き、新たなデザインを生み出していく独自のスタイルを作っていった。それは、何にも縛られない自由なスピリットと、常に貪欲に挑戦し続ける創作への情熱を生涯持ち続けた人生だった。また、恋多き女性でもあったマイヤは三度の結婚・離婚を繰り返し、恋愛をも創作の糧としていた。

旅先からの手紙、日記、娘の証言で綴られ、彩り鮮やかなデザインが踊り出す

本作は、離れて暮らす愛する娘や家族に送った手紙と本人の日記、娘の証言、当時の様子を映すアーカイブ写真や映像が「自分語り」で綴られ、「マイヤ・イソラのファブリックは自分の人生の一部」と語る新鋭監督がアニメーション等を駆使して挑んだ意欲作。いつ、どこで、どんな想いからデザインを生み出していったのか、臨場感たっぷりに生き生きと彩り鮮やかに映し出されるデザインや絵画は、観る者の心を躍らせる。旅を愛し、世界のすべてをかたちにしてきたマイヤ・イソラというしなやかで逞しいデザイナーの人生を体感することで、今の時代を生き抜く力を貰える傑作アート・ドキュメンタリーである。

Storyストーリー

フィンランド南部リーヒマキ、アロランミ。1927年、マイヤは農家の3人娘の末っ子として生まれた。農作業を手伝い、姉妹で紙の人形を作ってままごとをして遊んでいた。13歳から家を出て一人暮らしとなり、厳しい戦時下を生き抜いた。45年、17歳年上の商業芸術家ゲオルグ・レアンデリン(ヨック)と結婚し、翌年19歳でクリスティーナを出産。ヨックとは共に暮らすこともなく離婚し、母トイニにクリスティーナを預け、マイヤはヘルシンキの芸術大学へ進学する。この時から、マイヤは離れて暮らす娘に手紙を送り続けていく。初めてのノルウェーへの海外旅行で出会った壺をデザインしたファブリックを大学のコンテストに出品すると、マリメッコの前身であるプリンテックス社を立ち上げた(マリメッコ創業は1951年)アルミ・ラティアの目に止まる。アルミはマイヤの作品を購入し、マイヤはデザイナーとして雇われることになる。経営者とデザイナー、アルミとマイヤの唯一無二のパートナーシップの始まりである。

52年、画家のヤーッコ・ソメルサロと二度目の結婚。2人は描いた絵を売りながらヨーロッパを旅し、カウニスマキに小さなアトリエを構えた。この頃のマイヤはアシスタントとしてヤーッコを支えたが、こっそりと絵を描き続ける。55年にヤーッコと離婚してから、抑えていたものが爆発するように創作に邁進し、旅する生活がその源となっていた。58年に手がけた「装飾シリーズ」は評判となり、マイヤの名前が知られるきっかけとなった。マリメッコはアメリカ進出を果たし、60年にジャクリーン・ケネディが購入したドレスを着て雑誌の表紙を飾ったことが話題となる。その後の「バロックシリーズ」や「建築シリーズ」など、マイヤの大胆でカラフルなデザインは、マリメッコの海外での成功に大きく貢献した。64年には「(花はそのままが一番美しいので)花をファブリックのモチーフにすることは許さない」としていたアルミの意に反し、マイヤは花のデザインだけを集めた「花シリーズ」を制作。そのデザインを見たアルミは考えを変えて、多くのデザインを購入。そのうちのひとつが「Unikko(ウニッコ)」であり、その後マリメッコのアイコンとなった。

Maija Isolaマイヤ・イソラ

1927年3月15日に生まれ、農家の末っ子として育つ。18歳で結婚、19歳で娘を出産したが、母のサポートによって芸術大学へ進学する。在学中にマリメッコ創業者のアルミ・ラティアに認められ、デザイナーとしての道を歩む。私生活では三度の結婚・離婚を繰り返しながらも、世界を旅することで出会ったすべてのものを創作の源としてきた。マリメッコには1949年から87年までの38年間で500以上のデザインを提供。中でも、ケシの花をモチーフにした「Unikko(ウニッコ)」(64)は、のちにマリメッコのアイコンとなった代表作である。デザイナーとしてだけでなく画家としても活躍し、ヨーロッパ各地やアメリカで展覧会を開催。2001年3月3日に亡くなるまで絵画の制作に取り組んでおり、フィンランドの美術コレクションに多くの作品が収蔵されている。マリメッコで手掛けたデザインの多くは復刻され、デザイナーとなった娘のクリスティーナ、孫のエンマの三代に渡って継承されている。

劇中に登場するマイヤ・イソラのファブリックデザインの一部

Director監督インタビュー

この映画は、マイヤの人生を形成した出来事に基づいており、アーカイブ資料と新しいドキュメンタリー映像の組み合わせで構成されています。マイヤの精神状態を描写する新しいフィクションの映像、アニメーション、クリップ映像によって、マイヤ自身の個人的な物事の体験の仕方が効果的に表現されています。カットアウトされたアニメーションは、日常生活と結びついた様々なファブリックのデザインの誕生を説明し、マイヤの絵画と密接に結びついています。マイヤのデザインに影響を与えたもの、例えば自然界にあるディテールや形なども、新しい映像で紹介しています。一方、本作の舞台は現在でもあり、娘のクリスティーナがアトリエで語りかけているシーンもあります。彼女のアトリエは、マイヤの自宅に近い場所にあり、マイヤが遺した大部分の絵画、オリジナルデザイン、写真などがそこにあります。イソラ家の家族アルバムは、マイヤとその家族の様々な時代の物語を綴っています。アーカイブ写真では、マイヤが舞台、インテリア、ファッションでデザインしたファブリックが紹介され、抽象から具象へと発展していくマイヤの芸術もまた、彼女のライフストーリーの中に映し出されています。また、音楽はマイヤの人生の主要な出来事を通して、特定の雰囲気を作り出すために使われており、それぞれの時代や場所で典型的なもの、そしてマイヤ自身が聴いていたものに由来していますが、映画用に新しく作曲もしています、

マイヤ・イソラのファブリックは、私の人生の一部でもあります。子供の頃、家のリビングルームに ”Kataja”(マイヤ・イソラが手掛けた「自然シリーズ」の一つ)のカーテンがあり、カーテンが作り出す穏やかな雰囲気が大好きでした。私は都会で育ちましたが、両親はフィンランドの地方出身で、夏には田舎で過ごしました。この”Kataja”のカーテンは、私にとって都会と田舎を隔てる緩衝材のようなものでした。大人になってから仕事の関係で別の都市に引っ越すことになり、勤務先が用意したアパートは最上階の小さな1ベッドルームで、反対側の建物に面した大きな窓がありました。建物のコンクリートとの間に暖かさが欲しくて、マイヤ・イソラの “Lyhty “のファブリックのカーテンをつけました。さまざまな色合いの赤の “Lyhty “は、新しいアパートが自分の家になった感覚をもたらしてくれました。

レーナ・キルぺライネン Leena Kilpeläinen

ロシア・モスクワのVGIK (The All-Union State Institute of Cinematography)卒業。監督、撮影監督、脚本家として活躍。撮影監督として、サハ・ヤクチア地方の ”The children of the big bear”(1993)、トゥーラ地方の ”On the edge”(2002)などの作品に携わる。監督としては ”Zero” (2002)、”Metro”(2003)などの実験的作品を制作。初の長編ドキュメンタリーは “The Voice of Sokurov(ソクーロフの声)”(2013年)、本作は2作目の長編ドキュメンタリーである。

Cast & Staffキャスト / スタッフ

Cast

マイヤ・イソラ(Maija Isola)
クリスティーナ・イソラ(Krisitina Isola)
エンマ・イソラ(Emma Isola)
【声の出演】
パイヴィ・ヤルヴィネン(マイヤ・イソラ)(Päivi Järvinen as Maija Isola)
マルギット・ウェステッルンド(アルミ・ラティア)(Margit Westerlund as Armi Ratia)

Staff

監督・脚本・撮影:レーナ・キルペライネン(Leena Kilpeläinen)
音響:ピエタリ・コスキネン(Pietari Koskinen)
編集:リーッタ・ポイクセルカ(Riitta Poikselkä)
アニメーション:レーッタ・ネイッターンマキ、アンニカ・ダールステーン(Reetta Neittaanmäki, Annika Dahlsten)
音楽:サンナ・サルメンカッリオ(Sanna Salmenkallio)
製作:メルヤ・リトラ(Merja Ritola)
共同製作:エリナ・ケウィッツ(Elina Kewitz)